大暑来れる前なればなり

眠っている間に季節が替わっていた。

空が青い。
体がだるい。
今年の夏は長くなりそうだ。

眠りすぎた。
髪が今まで見たことないくらいに伸びている。
いくらか痩せたけれど上半身は逞しいままだ。

部屋で使うためのサングラスを押入れから探し出した。
日焼け止めも肌に悪いやつに交換だ。

夏はなぜだかコンサートが多い。
「靴を逆さにすると溜まった汗が流れ落ちたもんだ」と師匠は言った。
空調の完璧な作動のありがたさ。
当日券を求めて並ぶには酷な季節。

眠る前に夢見た演奏者と曲目の組み合わせが次々に実現する。
何かのつながりを感ぜずにはいられない。
それが何かはあいかわらず分からないままなのだが。
一つ一つ拾い歩くのが今の私にできるすべてではないか。

夢は潰えたはずなのにまだ終わらないと夢見ている。
次に眠るまでに私にできることは何だろう。

気象庁は梅雨明けを宣言しただろうか。