ここ何日かの思考 その１ 「逃げ道を用意する」

「何か趣味でも持てば」
正確な言葉は忘れてしまったけれど、随分前に言われた言葉です。
そのときはとてもショックでした。
死刑宣告に等しいものだったからです。
「その方向へは進むのは無理なのだから、違う道を見つけなさい」
そう言われたと思ったからです。

つくづく思うのは、私は思考能力というものがないということです。
要するに白痴です。
死刑宣告だったんです。
ただ、別の生き方を選択できれば無罪放免となる執行猶予付きのです。
今にして思えば、なるほど、ほかに楽しみのない私は既に死んでいます。
逃げ道を作っておいて、いつでもそこに避難することができれば、
却って一所懸命に取り組むことができたかもしれません。

その頃は「『脇目も振らず』という状況に身を置かないと」とか考えてました。
その反面、生活を捨ててまでとか、フルタイムに挑戦とか、
それを成し遂げた人たちなら当然のように踏み込む領域には、
端から無理だとあきらめてもいました。

こういう状態なのを見抜いた上で、
それを趣味の一つとして楽しむのが、私にとって最適なのだ
という指摘だったに違いありません。
正しいです。全くもってそのとおりです。

ただ、私にとって、「それ」は楽しいものではありませんでした。
どう説明したらいいのか分かりませんが、
単に「うまくいかないから」というだけの理由かもしれませんし、
そうではなかったような気もします。
「やってみないと気がすまない」という性分なのは自覚してます。
で、「やってみたらやっぱりうまくいかなかった」ことばかりです。
人生で、たった一つでいいから、満足のいく結果を出したいものです。
できれば、「これ」を、その「一つ」にしたいと今でも思っています。
いえ、今のほうがその思いは強いです。
自分に与えられた最低の条件で、最善の結果を出して見せます。
ただ、それがいつになるかが分からないだけです。