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2007/10/02 (Tue) 23:10
日記のネタが思いつかなくなったときのためにとっておいた学生のときの話。

大学生のとき、混声合唱のサークルに入っていました。
どこの大学にも一つや二つはある、とても人数の多い合唱団です。
いつも大勢の中で埋もれて歌っていると周りに頼ってしまうからという理由で、
年に1回、「独唱会」と称して、全員が一人1曲ずつ、好きな歌を全員の前で歌う
という企画が、春の合宿に行われていました。
春合宿は、新入生を迎える準備として、春休み中に行われるので、
新2年生~新4年生だけが歌うことになります。

ほとんどの人がピアノ伴奏つきの歌曲を選択するので、
ちょっとでも弾ける人には伴奏の依頼が集まってきます。
そんなわけで、私は毎年、2~3人の伴奏を引き受けていました。
「みんなの前で」の「みんな」には、指導をお願いしている指揮者や声楽家、
ピアニストといった、プロの音楽家もいたわけですから、
今思えば、随分と思い切ったことをしたものです。

そんな合唱サークルに、私の1年後輩で、ほかの大学の学生なのに参加している、
ちょっとかわった女声団員がいました。
彼女は、高校生のときからとても精力的に活動していたのと、もって生まれた才能と
快活な性格から、将来は団の中心として活躍してくれることを期待されていました。
結局、3年に上がるとき、伝統と実力を兼ね備えた名門合唱団の
学生指揮者に選ばれて、両立が難しいからと退団してしまったので、
私のいたサークルには2年間しかいませんでした。

その彼女が、なんと、独唱会で2年続けて前の年に私がピアノ伴奏をした曲を、
自分が歌う曲として選んで演奏したのです。
その上、私が学指揮として振った曲 ~ある邦人作曲家の「3部作」の1作目~
の続編 ~3部作の2作目~ を、自分のステージで取り上げただけでなく、
私がアンコールで振った曲を、常任指揮者にやはりアンコールで振らせたのです。

偶然なのかもしれません。でも、そうでないとしたら・・・
対抗意識かリスペクトでしょうか。

あれだけの才能のある彼女が、私なんかに・・・と思うと、悪い方を考えてしまいます。
対抗意識というよりは、「あんたがやろうとしたのは、ほんとはこういうのでしょ」
みたいに、才能のない私に対する当てつけなのではないか、
だとすると、何か彼女の癇に障るようなことをしたのではないかと思ったものです。

ただ、私が振った演奏会の帰り、「『楽しかった』と言ってもらえたら一番嬉しい」と
挨拶をしたレセプションのあと、下り電車を待つ私に、深々と下げた頭を上げて、
反対側のホームから「楽しかったです。ありがとうございました。」
と叫んでいた姿からすると、私の記憶という、私だけの世界の中では
いい方に思い込んでも構わないかも。と考えてみたりもしています。

昔々のお話でした。
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